チーム・バチスタの栄光3.4

基本はミステリーだが、病院関係者の描き方にリアリティーがあるらしい。
これまでに、麻酔科医師の氷室(城田優)の過酷な労働条件が描かれた。
実際、麻酔科医が少なくてオペができなくなった時期のある病院も知っている。
最近、医療問題のニュースでようやく、麻酔科医師、産婦人科医師、小児科医師の重要性も語られるようになった。
それまでは、患者と直接話す機会が少なく存在を知っている人も少なかったと思う。
長時間労働で「ヒヤリ、ハッと」の経験は、どんな医療関係者も持っているよう。
今は、それで裁判になったとき用の保険に、ほとんどの関係者が入っているらしい。
ドラマには誇張もあると思うが、氷室麻酔科医師が、他の外科医(デビット伊東)から下に見られ怒鳴られているシーンは可哀想で見ていられなかった。
旦那に言わせれば、いまどきは麻酔医様様、邪険に扱う外科医はいないらしい。
田口診療内科医(伊藤淳史)と厚生省の白鳥(仲村トオル)のコンビはおもしろい。
白鳥は肉大好き、いくら好きでも私はご飯なしでは食事した気がしないんだけど(笑)
同期の外科医師である酒井(鈴木裕樹)の優秀な父へのコンプレックス話もよかった。
桐生外科医師(伊原剛志)と鳴海病理医師(宮川大輔)兄弟の関係も新たにわかった。
鳴海は元は優秀な外科医だった。
それが、オペ中の事故で桐生が鳴海の腕の腱を切ってしまった。
大きな腕の傷が目立っていて、気にはなっていた。
それからの鳴海は、オペの大事な場面で手が動かなくなり、病理医に転身した。
そのことで、鳴海が桐生への恨みと嫉妬という動機が考えられるようになった。
だけど、
「影(優秀な病理医)がいなければ光(優秀な外科医)も輝かない」
には、ちょっと納得した。
結婚前27歳女性の乳癌診断に慎重を期したところには好感だった。
癌は治っても、女性として引け目を感じながら(乳の手術)の結婚はツライから。
旦那が途中のオペシーンで、
「どうして医療ドラマにはオペシーンがあるんだろう?」
と聞いてきたので、
「一般人はオペを見たことがない人がほとんど、オペで胸を開いてるシーンを見ると珍しさでテンションが上がる」
と答えておいた。
私はレントゲン検査は見る機会があって知っている。
一般人よりは術衣姿の医師にも慣れているだろう。
だけど、オペは経験もないし見学もないから、オペ場のシーンは楽しい。
医療関係ドラマには、
「こんな医者いない!こんな理想的病院もない」
とよく文句を言っている旦那が、
「このドラマでの医療関係者や病院問題の描き方はいい」
と認め、この続きの小説まで買って読んでいた。