流星の絆 3

1993年、最初はアリアケ事件のニュース映像からだった。
両親は刺されていて、
「子供達は天体観測に行っていて無事でした」
とのナレーション。
本気で事件で助かったことをよかったと思ってくれてるの?と考えて悲しくなった。
2008年、妄想係長・高山、コント風で。
功一 (二宮和也) は、詐欺のターゲットに静奈 (戸田恵梨香) の元上司で会社を辞める原因を作ったポストイット高山 (桐谷健太) に決定した。
静奈が南田看護師に化け、高山と付き合っていた。
泰輔 (錦戸亮) は銀行員に化け、ドル建て債権で財テクマニアの高山を騙す作戦。
ニセ銀行員の泰輔が説明していると、高山から、
「今は債権は発行しないようになってる、平成18年から、預り証だけで取引」
と、つっこまれていた。それに焦りまくりの泰輔。
ところが、それが逆によくて、
『詐欺なら、こんなに慌てない』
と高山が勝手に思ってくれた。南田こと静奈からの、
「一緒の名義になっているかもしれないし」
と、結婚をにおわせる発言でダメ押しされ、その場で書類に印を押した。
そして、アッサリ高山への詐欺が成功し、150万円を手に入れた。
その後、兄妹三人で話をしているとき、
「苦労してない」
と言われキレかけている静奈に、功一が、
「苦労しているように見える(可哀想に見える)よりいいじゃないか」
と諭していたのには、なんだか納得してしまった。
その功一も、詐欺のための投資はともかく、アリアケスリーのステッカーに5万円。
「お前達みたいに友達がいないから、淋しくてステッカーとかTシャツとか作っちまった」
のセリフに、コメディ仕立てにはしてあるけど、功一の淋しさがつまっているよう感じた。
功一が働くカレーショップに、刑事の柏原 (三浦友和)と萩村 (設楽統) がやって来た。
ノミ行為の組織が摘発され、その顧客リストに殺された父の幸博 (寺島進) の名前があった。
そのため、警察はノミ屋関係者の中に犯人がいるのでは?と捜査を再開したらしい。
ジョージ(尾美としのり)は重い雰囲気に耐え切れず店から去った。
柏原は功一に、
「父は博打好きで母はパチンコ好き、そのために借金もあった」
と語った後、
「事件当日は、親戚などからお金を借り返済のために200万円持っていた、それが無くなっていたからノミ屋の犯行ではないかと」
と、容疑者について話した。
功一は刑事から聞いた話を泰輔と静奈に伝えた。
その頃はまだ幼かった静奈は父が博打好きだったことにショックを受けていた。
泰輔は、
「競馬好きは覚えているよ」
と言いながら、小学生頃の作文『日曜日なんてキライ』を出してきた。
「日曜日はキライ、お父ちゃんはパチンコに並んだ後で競馬場に行く・・・日曜日に遊んでもらった覚えがない、日曜日も学校へ行きたい」
1992年、子供の頃、この作文を持って店を訪ねてきた担任教師とのシーンになった。
父はこの作文を聞かされ、教師には大声を出した。
でも本心では響いたものがあったようで、子供達には、
「父ちゃんは賭け事をやめる」
と土下座。その後は、日曜日にも遊んでくれるようになっていた。
静奈が、
「なんかわけわかんなくなってきた、実はよく覚えていない、200万って私達がアッサリ高山から騙し取れてしまう金額で殺されるなんて」
と淋しそうに言ったので、功一は、
「優しくて、料理が上手くて、楽しい父ちゃん、競馬やって借金があってもそれは変わらない」
と、父のよいところを思い出させた。
お墓参りシーンに、柏原の姿。
病気で亡くなった息子の納骨の日だった。
その後、屋台で刑事二人がアリアケ事件の話をしていた。
柏原の主張は、
「犯人は顔見知り、招き入れられて家に上がっている」
だった。
1993年、両親の葬式の日、静奈の実父(国広富之)もいた。
静奈の母はその頃はホステスをしていて、実父はその客だった。
「静奈だけでも引き取って育ててほしい」
と刑事達からの頼みは拒否していた。
2008年、兄弟で。
功一と泰輔は、
「静奈にそろそろ、本当の兄妹じゃないことを話そう」
と相談していた。家族愛を持っているという泰蔵に功一は、
「頼むぞ、しーのこと、ちゃんと見てろよ」
と静奈のことを託した。
ある夜、功一の働くカレーショップにやってきた客が名刺を出した。
その男は年商13億の洋食チェーン「とがみ亭」の人で、ハヤシライスばかりを頼む珍客だった行成 (要潤) が酔っ払って迷惑をかけたことを詫びにやって来たのだった。
行成は「とがみ亭」の御曹司で、新店舗オープンのためオリジナルのハヤシライスを作るため食べ歩きをしているとのこと。
1993年、子供達の荷作りシーン。
「ぬいぐるみは3個持っていきたい」
と駄駄をこねる静奈に、
「施設の人から荷物は箱一人一個ずつと言われている」
となだめながら諭す功一。
両親の遺品も一個ずつで、アリアケのレシピノートを選ぶ功一。
このシーンを子役と大人の三兄妹で演じていた。
車で施設に向かうシーンでの子役長男の泣き顔に悲しくなった。
2008年、レシピノートを見つめながらハヤシライスを煮込む功一。
そこに、行成が客でやってきた。仕事のグチの中で、
「ストレスがたまるんですよ、親子二代でやっていると」
に、功一が複雑な表情を浮かべていた。
父と一緒にハヤシライスを作っている姿を思い浮かべていた。
事件のことは知らない行成が、
「実家が洋食屋だって言ってたよね、食べに行きたいから場所を教えて」
と無邪気に訊ねた。
「潰れたんです」
と答える功一。それに、
「飲食業はキビシイからね」
となぐさめの言葉を言った行成に、
「親父が殺されたんです」
と真実を告げた功一。
だけど、行成は冗談だと思って信じなかった。
事件を知らない人が突然「殺された」と言われても、ほとんどの人は冗談と思うだろう。
ところが、この会話の中で功一は行成を詐欺のターゲットに決めた。
行成が父の戸神政行(柄本明)に、車の中で、
「本店の味を再現したい」
と訴えていた。
ワインの試飲会でも、行成はマジメに仕事をしていた。
そこに、変装した静奈と泰輔が潜入していた。もう詐欺は始まっていた?
なぜ行成が狙われることになったのだろう?
「親子二代での洋食屋」
という立場に、自分では叶わない夢と嫉妬したのかな?
「両親が殺された」
という言葉を冗談にしか受け取ってくれなかったからかな?
事件の話だけでは、同じことの繰り返しで間が持たない感じに見えた。
私的には、もっとオリジナルコメディも入れ、笑った後に泣く、展開の方がいい。