魔王 9

直人(生田斗真)は成瀬領(大野智)が真中友雄と気づいた。
今までの事件を操っていた「雨野真実」だとも気づきビックリしていた。
直人の友人の宗田(忍成修吾)は大隈(嶋田久作)一味にリンチを受けていた。
宗田は恐喝男だけど、なんだか人間見があって憎めない感じ。
「許してください」と命ごいする姿に助けてあげたくなった。
その場には葛西(田中圭)もいた。
二人っきりにして助けるのかと思えば、怖い顔で宗田を殴った。
でもその後で「お前は今死んだ、二度と現れるな」と見逃した。助けた?
長年の友人は殺せなかったようだ。
ところが、その後に直人の兄の典良が登場。
「不倫を知らせただけ」と怯えている宗田に「感謝している」とタバコをすすめた。
ほっとしながらタバコに口をつけた途端に苦しみ宗田は死んだ。
温和な兄だった典良が、魔王(復讐心から悪意の人)に変わっていた。
直人の携帯電話に宗田の携帯から電話がかかってきた。
その後にきた成瀬がやったこと。
携帯の発信エリアで宗田を見つけさせるためだった。
宗田の遺体を見つけた直人は真犯人への怒りを爆発させ、成瀬を呼び出した。
「あんたの正体は英雄の兄、真中友雄だ」
と言って殴った。
成瀬は平然とした表情で、
「人殺しは私ではなくあなた、大切な人を失った悲しみは今のあなたならわかるはず」
と言い、直人からの、
「周りは関係ない、俺を殺せ」
にも
「証拠を持ってきてください、早く私を捕まえてください」
と挑発し去った。
赤い部屋でひときわ大きな直人の写真に「やっと会えましたね」
直人に早く気づいてほしかったのかな?成瀬は魔王に戻っていた。
しおりは「成瀬=真中」に気づいてあげられなかったことを悔やんでいた。
宗田の死因は青酸カリによる中毒死とわかった。タバコに塗ってあったようだ。
また、現場で葛西の万年筆が発見された。
典良が落としていったのを不思議に思っていたが、葛西への罠のためだった。
直人は葛西は犯人じゃないと信じていたが、警察で事情を聞くしかない。
「俺は殺していない!」
と葛西は言い続けた。
だけど、アリバイは典良の妻の麻里(吉瀬美智子)と一緒だったこと。
愛し合っていた麻里との不倫がバレルようなことは口にできず困っていた。
そこに成瀬が芹沢父の栄作(石坂浩二)に頼まれて弁護人で登場。
直人は「成瀬が主犯」と兄の典良に電話するが「父が決めたこと」とそのまま同席。
このときの成瀬のニヤリとした表情が不気味だった。
葛西は、アリバイ証言で麻里を巻き込みたくないと話せないでいた。
成瀬は葛西に、
「助かる方法はひとつ。真実をすべて話すことです」
と言った。
葛西の携帯電話の通話記録から兄嫁になる麻里の電話番号がたくさんあった。
秘書だった芹沢の家宅捜索で、それに立ち会っている直人に父の栄作から、
「親子の縁を切った後は友人との縁を切るのか」
とのキツイ言葉があった。
そして葛西の机から青酸カリの成分と同じものが見つかった。
直人が友人達との写真を見るシーンが印象的だった。
友人の内、二人が亡くなり一人は殺人事件の容疑者。
悲しいだろうし、その原因が自分だとわかっていて居たたまれない感じだろうなと。
そんな直人に成瀬は、
「諦めるんですか?このままでは無実の友人を殺人犯にしてしまいますよ」
と言い放った。
その後、直人は急に成瀬の前に行き、土下座して、
「お願いします、悪いの俺です、もう俺以外を苦しめないで」
と頼んだ。それに対して成瀬は、
「いいんですか?真実があなたの胸を貫いても」
と言った後で、
「人は大切な誰かを庇うとき、真実を隠すものです」
とヒントを与えた。
視聴者の私は殺人の実行犯が直人の兄だと知っている。
でも、今の直人は友人の葛西を助けたいだけ。
真実を知って、兄が殺人犯とわかったとき今以上に苦しむだろう。
これが、魔王のやり方なんだと思った。
成瀬が事務所に戻ると、しおりが会いにきていた。
「早く気づけなくてごめんなさい、もうやめてください、あなたは本当は優しい人です」
と訴えるしおりに成瀬は、
「もう止められないんだ」
と言って去った。
成瀬がしおりと会った後に泣いていたの魔王になってしまったことへの後悔だったのかな?
しおりは成瀬の犯行を止めたい一心で直人の捜査にサイコメトリーで協力。
それで葛西と麻里の不倫に気づいた。
留置所の葛西に確かめに出向き、不倫して兄を裏切っていたことを確信した。
その頃、直人の兄の典良は大隈と犯行の打ち合わせ、すっかり殺人犯の表情だった。
葛西は直人が麻里に事情を聞くことをおそれ、
「俺が宗田を殺したんだ!あの人を巻き込まないでくれ!」
と直人につかみかかっていた。
葛西はそんな庇うほど麻里を本気で愛していたようだ。
兄を裏切り不倫しただけで大荒れの直人、犯人が兄とわかったら耐えられるの?
だんだん直人の方が心配になってきた。