魔王 8

成瀬領(大野智)はしおり(小林涼子)を泣きながら抱きしめてしまった。
しばらくして我に返った成瀬は、無言で家まで送り届けた。
家の前で突然の雨、しおりが傘を貸してくれた。
11年前のしおりに「弟のために証言してくれてありがとう」と傘を、思い出していた。
直人(生田斗真)は池畑からのヒントで『真中友雄』が生きていることを確信。
サイコメトリーしてもらうと、無罪判決が出た大雨の日の残像だった。
『アメノシンジツ』とは「雨の日に無罪として葬られた真実」のことだった。
これは視聴者の方が先に気づいていたと思う。
しおりへの恋心で成瀬の心は魔王になりきれず揺れていた。
そんなとき、しおりから花火大会に誘われた。
戸惑いながらも成瀬は誘いを受け入れた。
その後ろで二人を見ていた直人の表情がとてもツラそうだった。
直人もしおりに恋心を持っているのに、しおりは成瀬をデートに誘っていた。
直人は成瀬のいる前で、しおりに「また赤い封筒が届いた」と告げた。
成瀬の方が驚いていた。
自分は送ってないのに封筒が届いている、と。
直人に送ったのは山野(清水優)だった。
成瀬は山野の勝手な行動に怒ったが、逆に山野から「許すの?」と復讐心を煽られた。
今では山野は復讐を楽しんでいるように見えた。
宗田(忍成修吾)に麻里(吉瀬美智子)との関係を脅迫されている葛西(田中圭
相当な想いで典良社長(劇団ひとり)に宗田の就職を頼んだ。
でも、脅迫の理由が典良の妻の麻里との不倫とはさすがに言えない。
「11年前の事件の件で脅迫されている」と嘘をついた。不倫を知られているのに。
支配人でのホテル就職はアッサリ断られた。
それを葛西が宗田に告げると、胸倉をつかみ、
「直人の事件で正当防衛にするために嘘の証言を強要された、自分も人殺しのような気持ちで生きてきた、芹沢家に人生を無茶苦茶にされた、だから要求を受け入れろ」
と叫んだ。宗田も事件にかかわり苦しみながら生きてきた人だった。
そこへ、宛名のない赤い封筒が届けられた。
葛西か宗田のどちら宛なのか?わからず、余計に動揺していた。
直人が二人の元を訪ねてきたが「封筒は届いていない」と二人とも嘘をついた。
その頃栄作(石坂浩二)は、長男の典良社長に大プロジェクトを任せた。
成瀬は「表沙汰になって困るような事はないか」典良に訊ねた。
すべて知っていて、背中を押しているようだった。
典良は大隈を使って脅迫している宗田を殺す決意をした。
それを葛西から大隈に連絡させた。表向きは社長から秘書への命令。
だけど、友人を殺す決意をさせることが、不倫をした葛西への復讐に見えた。
葛西のところに直人がやってきた。
宗田が尾行に気づき警部してもらうために連絡したのだった。
もう三人は友人関係ではない、と思った。
直人は『真中友雄が生きている』証拠を同僚達と探していた。
新聞記事から入れ替わりを想像し、事故現場へ向かった。
そこで池畑に証言した藤野の元にも赤い封筒が送られ、口止めされていた。
成瀬はしおりと花火大会へ行く約束をしていたが迷っていた。
急な仕事を口実に約束を破るつもりだった。
だけど、しおりへの想いからギリギリに約束の場所に現れた。
成瀬としおりは自分で花火をして笑顔で楽しんだ。
夏の思い出シーンは何故いろんなドラマで花火なんだろう?(笑)
楽しそうで復讐も忘れたかのように見えた成瀬。
だが、しおりを家まで送った成瀬は、
「最後にいい思い出ができました、会うのはこれが最後です」
と別れの言葉を告げ、帰ってしまった。
突然の言葉に悲しくなり、しおりは成瀬に貸した傘に手を置いた。
そこで、11年前の雨の日の残像。
直人の方も、警察の記録から真中友雄と一緒にいた少年の名前を知った。
『成瀬領』
いままでの成瀬からの意味深なセリフが思い出されていた。
しおりと直人の両方が、真中友雄=成瀬領だとわかった。
今回は、証言した少年少女の気持ちがよく描かれていたと思う。
事件で直人本人だけじゃなく周りの人の心も傷ついていた。
成瀬は復讐を誓って魔王になったわりには恋心で迷いが大きくなる。(笑)
今回はとても中途半端なドラマの見方をしてしまった。
リアルタイムではこのドラマを見たことのない人と話しながらだった。
このドラマは初見の人に説明するには難しく、出演者の話をしていた。
話をしながらだといろんなシーンを見逃し、ストーリーがよくわからなかった。
録画で最初から最後まで集中してみて、仕掛けの方法や表情の意味がわかった。
ながら見できないドラマだな、と思った。