魔王 6 

成瀬領(大野智)が本当は真中英雄の兄の友雄だった。
友人だった成瀬領の事故死を利用し入れ替わり、領になりすまして生きていた。
その過去を探りだした記者の池畑(六平直政)は成瀬を「5000万円で」と脅してきた。
だが、成瀬は証拠の証言音声にもひるんでいなかった。
山野(清水優)との会話で、脅迫されることは予想どうりの展開だった、とわかった。
そして、池畑からの赤い封筒を利用した。
その中に芹沢栄作(石坂浩二)と裏社会の大物である大隈(嶋田久作)との密会写真を入れ、直人(生田斗真)のいる警察に「カードが届いた」と言って持って行った。
上司の中西(三宅裕司)の「マスコミにバレれば大スキャンダル」で重大性がわかった。
「もしかして、雨野は親父を操って池畑を殺させるつもりじゃ・・・?」と直人。
直人は池畑を訪ねて、
「殺人事件に巻き込まれる可能性があるので捜査に協力してほしい」
と頼んだ。ところが池畑からは、
「あんたに守ってもらおうなんて思わない、人殺しに、正義づらしている悪党の方がこわい」
と冷たく言われてしまった。直人にはキツイ言葉だ。
直人は父の栄作に『大隈を使って池畑を消すつもり?』と問い詰め止めようとした。
ところが、栄作は白を切り、
「俺がまもるべきものの大きさを知っているか?お前があんな事件など起こすからだ。私の人生はお前の尻拭いの為にあるのではない!」
と直人に罵声を浴びせた。
何も反論できず、しょんぼりする直人を哀れに思った。
芹沢の兄(劇団ひとり)からも『お飾りの長男はもういやだ』と不満が噴出した。
成瀬が直人を待ち、一緒に歩きながら話していた。
「親父を頼みます」
と顧問弁護士になった成瀬に直人が頭を下げた。信頼があるいい雰囲気に見えた。
だが、どの事件にもなるなる背が関わっていることに、疑問も持っていた。
「調べてください」
との成瀬の言葉の中には、
『自分を捕まえてほしい、そして犯罪を止めてほしい』
の想いもあるんだろうか?まだよくわからない。
領の姉の真紀子(優香)の元にも池畑が訪ねていた。
それを電話で知った時の成瀬は、焦った表情を見せた。予想外だった?
成瀬は『口止め料の件で返事をする』と言って池畑を呼び出した。
宗田(忍成修吾)のところに赤い封筒が届いた。ようやく動き始めた。
葛西(田中圭)と麻里(吉瀬美智子)の写真の他に芹沢の兄との写真が入っていた。
宗田は葛西と麻里の不倫を知ってニヤリとしたように見えた。
池畑は呼び出された場所で赤い封筒を見つけ、11年前の記事のコピーも入っていた。
秘密をバラそうとした池畑は、大隈の部下たちに囲まれ、逃げ出し隠れた。
芹沢栄作の指示だと思った池畑は、金と引き換えにバラさない約束をした。
ところが、栄作が大隈に中止を伝えても、部下達には予定どうりの命令。
大隈が成瀬から多額の金を受け取り、追いつめるように依頼を受けていた。
老朽化した建物を見てまわる成瀬の表情は魔王だった。
池畑は直人に「裏取引中、教えてやるよ真犯人」と連絡した。
部下達の「ボスは変わったんだよ」で、命が危ないと逃げ出した池畑。
池畑は古びた倉庫へと逃げ込み「立ち入り禁止」と書かれた場所へ踏み込んだ。
そして、老朽化が進んだ床が抜け、落下!下にあった鉄骨に頭をぶつけた。
直人だと思って、死に際に証拠のボイスレコーダーを渡した相手は成瀬だった。
直人は自分が池畑にかけた電話の呼び出し音で池畑の死体を発見した。
きっと池畑を追いつめた依頼者は、直人の父の芹沢栄作だと思っていることだろう。
今回は、真相に近づいていた記者が亡くなった。事故死になるんだろうか?
成瀬が魔王の顔が多かった。
ただし、しおりさんの前では動揺していたように見えた。
心配して待っていてくれたとき、戸惑った表情の後、一瞬うれしそうにしていた。
なのに『忙しいので』とそっけなく部屋に戻ってしまった。
「僕にきみを愛する資格なんてない」
とつぶやきながら、しおりさんへの恋心に悩み、迷い始めていた。
復讐はしても、自分では直接手を下さない。
本当に相手に死んでほしいの?悪意を引き出したい?疑問も感じ始めている。