魔王 5

成瀬領(大野智)は病院を訪れ、姉の真紀子(優香)を見舞った。
目の見えない姉のために花束を渡していた。
イカの話で、成瀬は記憶を探るように「種がはえてくる・・・」と話を合わせていた。
成瀬の学生時代のシーンも出てきて、男子二人が仲良く話していた。
そのもう一人の男子が本物の成瀬領で真紀子の弟だった。入れ替わり決定だ。
「少し痩せたんじゃない?」
と真紀子が言ったシーンでは、成瀬役のせいかホントに痩せたと感じた。
直人(生田斗真)への図書館にあった赤い封筒には、手紙とタロットカード。
手紙の英語の綴りでは『生きることはわるいこと』との意味もあった。
山野(清水優)が「雨野真実」と誤解してる直人は、コインロッカーまで尾行。
大きな赤い封筒を取り上げたが中身は原稿、山野が怒って当然だ。
「ぼくは君みたいな人殺しじゃない」
の山野のからの言葉は、直人にはキツイものだったと思った。
この件も、魔王がしくんで山野にやらせたことだった。山野への、
「知らない方が救われることがある」
という言葉にも、もっと深い意味がありそうに思えてしまった。
池畑(六平直政)は成瀬を付けまわし、芹沢栄作(石坂浩二)にも脅迫めいた態度。
芹沢はホテル経営と議員生命のために裏社会との接触を始めた。
成瀬がしおり(小林涼子)に呼び出されカフェに行くと空が泣きじゃくっていた。
保育園で『母親が人殺し』とイジメられているらしい。
空の涙を見た成瀬が動揺しているのがわかった。
『正当防衛で無罪ならやった人は大丈夫、だから復讐の駒にしていい』
と思い込んでいての復讐計画だったのだろう。
小さな女の子が悲しむ、そこまでは想像していなかったんだろうなと思った。
しおりの気分がわるくなり成瀬が付き添い、後戻りできない切なさを漂わせていた。
しおりの携帯へ直人から電話があり、それに成瀬が出た際に意味深な言葉を返した。
これは二人の男性からしおりへの恋心が表面化?ライバル宣言?
直人ら捜査陣が「雨野真実」の名前に隠された秘密『真中友雄』に気づいた。
調べてみると、友雄は10年前に鉄骨の下敷きになっての事故死だった。
『学生二人が家もなく外で暮らしていた』
との事情を聞いた時の直人は複雑そう(自分のせいで兄の生活まで)に見えた。
そのことをしおりに伝えると「自分が11年前の事件の第一発見者」と告白してきた。
直人に父の栄作が「刑事を辞めなさい」と言ってきた。
それに反抗する直人が、11年前の事件の真相を語り出した。
『ナイフを持つ手を学生服の上から殴りつけただけ、その苦痛で英雄が倒れかかってきてナイフが刺さってしまった』
その時の直人は少年院へ行く覚悟はあった、だけど父が信じてくれず正当防衛に。
父に反抗できず罪も償えなかった直人を初めて可哀想だと思った。
直人と成瀬が酒場で語り合っているシーンはよかった。
成瀬は、早く自分が魔王だと気づいてほしがっている、何故だろう?
魔王の成瀬の元へ赤い封筒が届いた、さすがに動揺していた。
池畑の仕業で、10年前の事故の真相を語り始めた。
『事故で亡くなった少年には友人がいた、ところがある日、二人のうち一人しかいない事を不思議に思い、もう一人の行方を聞くと「友雄は死んだんです」と少年は答えた。しかし、その少年こそ友雄。そして「僕の名前は領です」と言った』
予想どうり、偶然の事故死をキッカケに戸籍を取替え真中友雄から成瀬領になった。
名前が変わっていた真相は意外にあっけなかった。
11年前の事件の真相も直人が語っただけなんだろうか?
あれは、殺意はなくてもナイフを持って体に当てるだけで十分こわい、恨みたくなる。
葛西(田中圭)の不倫が宗田(忍成修吾)にバレそうでバレナイがおもしろかった。
緊張するシーンが多いので、不倫カップルのシーンは笑ってしまう。
原作ありのドラマでも、最近セリフに納得のいかないドラマが多い。
その点、このドラマはどのセリフには意味があるようにできていておもしろい。