相棒 8

  • 「相棒」の「ホタルの戻る日」を見た。

今回は亀山薫刑事(寺脇康文)の妻の美和子(鈴木砂羽)作品がポイントだった。
有名企業の工場からの有害物質による汚染も扱ったルポだった。
それを単行本にして出版しようとしていた編集者の勝村(大鷹明良)が殺害された。
最初に疑われたのは、元水商売のボーイで人気作家の庄司タケル(村上淳)だった。
勝村は人気作家の庄司を認めず、ケンカになっていた。
杉下右京警部(水谷豊)が庄司のマンションで話を聞いたときの、
「高層マンションの最上階に住み、世の中を見下すのはいいもんだ」
のセリフが印象的で、ただの成り上がりでお金に執着の人に見えた。
でも、あまりにも疑わしすぎて犯人ではないと想像がついてしまった。
庄司の「ビター・ラブ」と美和子の単行本は、同じ装丁家が担当する予定だった。
右京と亀山は装丁家の安藤(菊池健一郎)から話を聞いた。
安藤は美和子の作品の冒頭部分を覚えていて誉めながら話していた。
小説の主人公が使っていたエリセ化粧品の商品が大ヒットしていることがわかった。
でも、勝村が準備の美和子の本には、エリセ化粧品の安全管理体制に疑問の内容。
それを出版すると、庄司の小説のスポンサーにもなっているエリセ化粧品との関係は悪化し、映画化はなくなるだろう。
庄司と勝村のケンカの原因はわかった。
でも、美和子の原稿の違いから、別の犯人が浮かんできた。
装丁家の安藤が、勝村と口論になり殺害していた。
原因は勝村が安藤の装丁原稿のホタルの色を勝手に緑から赤に塗り替えたこと。
赤ではとてもホタルに見えなかった。
原稿は作家にとって大切なもの、そんなことされたら怒るのは当然に思えた。
編集者は「直した方がいい」と注意はしても、勝手には変えないんじゃ?と思った。
こんなに、私には被害者に同情できない回も珍しかった。
最後に、映画化決定記者会見の前の庄司に美和子の原稿を見せた。
庄司の故郷こそが、エリセ化粧品の有害物質に苦しめられていたところだったから。
それを読んだ庄司は、記者会見の場で子供時代の話をし映画化を中止した。
突然の映画化キャンセルで信用もなくすだろうし、堅い私小説では売れないだろう。
成り上がりをよろこんでいた庄司も、故郷のことは捨てられなかったんだな、と思った。
ところで、この回の題名は「空中の楼閣」に変わったみたい。
公式見て「空中の楼閣」と書いたが、テレビ誌では「ホタルの戻る日」で直していた。
楼閣(ろうかく) の意味は『実現できない架空の物事.また,根拠のない事柄』らしい。
内容にはこちらの方が合っているのかも、でも「ホタル」の方がわかりやすくて好きだ。