スワンの馬鹿 2

大輔(上川隆也)は絢菜(芦名星)のために、はずみでIT関連会社の社長である川瀬(成宮寛貴)を殴ってしまった。
翌日、加茂(劇団ひとり)と時田(梶原善)から絢菜との写真を見せられかわれた後で、
「川瀬は金も権力もあるやり手の社長、大輔をへし折るくらい簡単」
と脅された。
絢菜が勤務のヒル・マイナ・インベストメントは大事な取引先でもあるし川瀬は権力者。
大輔もどんどん不安になっていった。
また、お小遣い兼昼食代をへらされているので、食事は安い弁当ばかり。
一所懸命に仕事しているのに昼食代にすら困っている姿は哀れだった。
その時、新オフィス用の事務機器を大輔の会社に発注のため見積書提出を頼まれた。
大輔は川瀬社長にも会ったが、何事も無かったように振舞われた。逆に不気味だ。
部下には徹夜での仕事を要求し、自分は先に帰り目立つ仕事だけする高宮部長。
そこまでイヤな上司を演じられると大輔のよき上司ぶりが引き立ち逆におもしい。
常務は見積書を簡単に見ただけで、秘書の絢菜に丸投げで判断を任せてしまった。
絢菜はよくわからない書類を見ながら正式な発注の返事をした。
徹夜明けで自宅に戻った大輔。
妻の真澄(田中美佐子)は小遣いを勝手にへらす恐妻なのに言葉や対応は優しい。
大輔にとってはよき妻なのか?ただの恐妻なのか?よくわからない人だ。
大輔の大切な思い出の品のトロフィーを壊したのは娘の理英(美山加恋)だった。
理英が謝ろうとしているのに、大輔は話も聞かず大声で叱り飛ばしてしまった。
「パパなんか大キライ」
と言われ部屋に閉じ込まれてしまい、大輔は落ち込んでいた。
どうしてあんなに最悪な叱り方をしてしまったんだろう?
会社では部下の話もしっかり聞けるよき上司なのに。
事務機器を納品の日、絢菜から慌てて様子の電話がかかってきた。
納品した現場オフィスに行くと、部屋がとても広く備品を置いてもガラガラの状態。
見積もり用に図面は2枚あり、広い方が本物のオフィスだった。
間違いの原因は絢菜が152坪なのに単位を間違えて書いていたからだった。
常務にミスの原因を聞かれた大輔は、絢菜をかばい自分たちに責任と頭を下げた。
それで、契約の方は金額を勉強することを条件に引き続き発注になった。
常務はホントのミスの原因が秘書にあることに気づいていたから。
なぜ本当のことを言わないのか?と問い詰めてきた絢菜に
「ミスをしたくてする人間はいない」
大輔は言った。
ここで、昨晩の娘に対しての自分の叱り方を思い出した。
急いで自宅に戻り、娘に話しかけて謝る大輔。
「パパの大切なトロフィーをキレイにしようとして落としてしまった」
との理由を言い、自己流で直したトロフィーを見せて泣きながら謝る理英。
「このトロフィーは今まで以上に大切な物になった」
と泣きながら答える大輔。
ベタだと思いながらも、このシーンで私も泣いてしまった。
やっぱりいいお父さんだ。
男三人でのコメディーシーンはもっと見たかったが、話の展開もおもしろかった。