山田太郎ものがたり 8

太郎(二宮和也)に進学の意志がないことに鳥居先生(吹石一恵)は悩んでいた。
進学や就職は本人の意思だとは思うけど、900点満点の成績優秀ならそう思うかも。
校長(宇津井健)に相談しても反応は「本人の意思に」だったが気にはしていた様子。
御村(櫻井翔)を呼びゲームを口実に、太郎への大学に関心をの行動を起こさせた。
放課後、御村は農園の野菜をエサに太郎を城南大学に連れて行った。
そこには果物のバイオ研究中の永原(吉沢悠)がいて、一緒に、
「大学の農園でタダで野菜や果実が好きなだけ作れる」
と、太郎の好きそうな言葉で勧誘した。
研究や果実の食べ放題には関心をしめしたものの、太郎にとっては家族の方が大事。
そういう時期に、太郎の父の和夫(松岡充)が帰宅してきた。
お友達のウメに絵を届けるためだと言う。
太郎の母の綾子(菊池桃子)と共にウメ宅を訪ねると、そこは夢のような豪邸。
しかも、ウメからは、
「和夫の絵を見て海外にも家を買った、ここに代わりに住んでくれない?」
との申し出があった。
弟妹は豪邸住まいに夢一杯で楽しみしていた。
父は太郎に
「家のことはお前が決めてくれ、いままでもそうだったから」
と一任。
頼りない両親ではあるけど、太郎への信頼と愛情で素直な息子になったんだろう。
太郎は、今の貧乏だけど笑顔の多い家と、たなぼた豪邸話とで心が揺れていた。
また、果物のバイオ研究にも興味を感じ、自分なりのレポートをまとめるほどだった。
それを見たときの永原の『逸材みっけ、離さないよ』的な表情がよかった。
学校では、杉浦が太郎への恋心で惚けていた。
その杉浦が、割烹着姿で買い物の太郎を目撃してしまったことから大騒ぎに。
好きな相手の意外な姿に驚いて、相談しただけなのに・・・
太郎が好き!の告白が、貧乏ネタに消され関心もたれなかったのが逆に哀れだった。
太郎が貧乏だとバレルことを怖れた鳥居先生は校長に相談したが、
「貧乏がバレると困るんですか?太郎は最初から隠してはいない、勝手に想像だけ」
私もそう思った。
貧乏だからで幻滅するような人は、たいした人ではない。
太郎のバイトしながらも成績トップの方が凄いと思うんだけど。
バイト姿も目撃してしまった杉浦はもう後には引けなくなっていた。
学校帰りをクラスメイト達とつけて、太郎の自宅を突き止めようとした。
太郎の帰宅先はウメの豪邸だった。弟妹達のために引越し決意したようだ。
クラスメイト達は
「やっぱりお金持ちだった、想像以上の豪邸」
とはしゃいでいた。
その中で、御村だけが悲しげだったのが印象的だった。
そして、太郎自身もメイドもいる豪邸暮らしに馴染めない様子。
こちらも、悲しげというか淋しげに見えた。
貧乏でも家族同士が近く笑顔が絶えない家がいいんだろうな、きっと。