セクシーボイスアンドロボ 1

主演の松山ケンイチさんは、映画「DEATH NOTE」のL役の人。
あの独特な雰囲気でとても気に入っていた。
ストーリーもコメディぽくおもしろそうだった。
ロボットオタク・ロボこと須郷(松山ケンイチ)と中学生少女のニコこと二湖(大後寿々花)が主人公だった。
ロボはロボット大好きのオタク青年、女も大好きなのに痴漢に間違われたりしていた。
ニコは、七色の声を操り大人の女性の振りをしたり、雑踏で声を聞き分けたりできた。
二人の出会いはテレクラだった。
ニコが、男性二人が血まみれになって争う現場を目撃した。
その話を誰かに聞いてもらいたくてたまらずに、テレクラに電話しロボが出た。
事件現場には血痕もない。でも、領収書やゴミ?の入ったダンボールが残されていた。
ロボは、ニコからMAXロボファィギアを買ってもらい、助手のようになっていた。
少女の言いなりになり、ファィギアでテンションの高くなっているロボがおかしかった。
三日坊主と呼ばれている男(中村獅童)がダンボールの中身の持ち主とわかった。
大切に集めている訳は「記憶が3日間しか持たない、生きてきた証として」だった。
一緒にカレーを食べると、それをメモして卵の殻も取っておく。
私は一応覚えているから集めはしないが「生きている証」には共感した。
ところが、三日坊主の正体は殺し屋だった。殺したことさえ忘れてしまうんだからと。
でも悪夢にうなされて心の底では忘れてなかったんだろう。
ニコがそういうことを知り、闇の組織のところまで止めに行った。
そこには、名取秀吉(岡田義徳)や真境名マキ(浅丘ルリ子)がいた。
たまたま作っていたカレーの匂いで、三日坊主は殺人を思いとどまった。
依頼人に「殺し屋を辞める」と告げたとき、箱をもらった。
危ない!と思った。忘れるとはいえ裏切り者をそのままのしてはくれまい。
予想どうり、爆弾で三日坊主は亡くなった。
一緒にカレーを食べ、語り合い詩を朗読し、鳩にエサやり「自由だ」と書いていた。
役柄的には殺し屋なのに、三日坊主には可愛げも哀愁も感じられた。
マキにニコが「亡くなったのは自分のせい?」と聞いていた。
「そう」と答えられたときは「冷たい言い方して」と最初は思った。
でも「一人で生きているんじゃない影響しあって」という意味のセリフがよかった。
ニコの父親は牛乳ビンのふたを収集。「俺はもっと生きたいから集めてるのかも」
私はオタクはキライじゃない。むしろ好き。私もその傾向はある方だろう。
どんなものでも熱中できるものがあるのはいいと思っている。
キャラや話の展開はマンガ原作らしくありえなさそう。
なのに、ちょっとしたセリフやシーンに切なさや共感も感じた。
脚本家を見ると「野ブタ。をプロデュース」の木皿泉さんだった。なんとなく納得。
このドラマも設定は苦手だったのに、話の展開やセリフにハマっていた。
岡田義徳さんは、野ブタ。では担任役だったのに、今回はスパイ?
コメディタッチで笑えるのに、心にひっかかるところもあるドラマだった。