記憶喪失を身近で

記憶喪失なんて、映画やドラマの中の世界だけ、のことだと、ずっと思っていた。
たまには、ケガなどが原因で、記憶喪失になる人もいるとは、思っていたけど。
それが、数年前、身近な人がそういう症状になり、入院していた。
私の名前も忘れ、身内の見舞いもわからず、トイレにも行けずで過ごしていた。
精神科ドクターは
心因性の偽ボケでしょう。退行現象をおこしています」
と言った。
まさか、記憶喪失になっている人を身近で、とは思ってなかった。ショックだった。
症状は、治療の成果か?時間が解決したのか?だんだんよくなって、退院もした。
診断書の病名は「解離性障害」と、書いてあった。
入院中で記憶をなくしていた頃のことは、逆に覚えてないらしい。
ずっと、元気に生活していたようなので、安心していた。
ところが、今日「様子がおかしい」の電話があった。私は、会ってなくてわからない。
ただ、また同じような症状が再発しているのかも?と不安でたまらなくなった。
でも、入院した頃のような過激な症状は出てないらしく、様子を見ることにしたらしい。
それでも、また自分も巻き込まれてしまうのは?の不安は消えない。
昼のあいだは、テレビを楽しむ余裕もなく、ただ電話待ちしていた。
夜になって、家族での夕食タイム。ちょうど「学校へ行こう!」を放送していた。
こういう気分の時は、楽しいバラエティが一番いい。
振り付けのコーナーで、三宅健くんが、ダンスを教えているのを見て、
「さすがに上手い、かっこいいなー、教えるのもじょうずだし」
と思った。他の番組のときは、関心ないんだけど、ダンスはさすがにかっこいい。
海猿」は、話の内容がシリアスすぎて、今の私には重かった。
それで、先週のテレビ雑誌を見て、好きな芸能人の特集を、手で切り取っていたら
「そんな、いいかげんなこと・・・でも、それで笑っていられるのはいい」
と、旦那に言われてしまった。
今日は、不意の電話で、気分が落ちていたのを心配してくれていたんだろう。
ありがたい。
テレビや雑誌は、気持ちを楽しくするものがいい。