流星の絆 8

「本気で俺達の仇の息子に惚れているよ」
という泰輔(錦戸亮)に功一(二宮和也)が、
「いいわけねーだろ」
と怒鳴った、前回の印象的シーンでドラマは始まった。
三人でのシーン。
戸神行成 (要潤)との食事から帰宅した静奈(戸田恵梨香)に、
「もし、お前があいつに惚れているとしたら」
と、功一と泰輔が問いつめていた。
静奈は言葉では否定し、
「戸神さんの家に招待された、ノートを置いてくる」
と健気に答えた。
「失敗すれば証拠偽造で自分たちが刑務所行きの可能性もある」
と、静奈に強く意思確認した功一。
泰輔の方は、静奈の『戸神さん』呼びにひっかかっていた。
戸神家にて。
刑事の柏原 (三浦友和)と萩村(設楽統) が戸神の自宅を訪れた。
盗難車からのお菓子の缶やアリアケ記念の腕時計などを政行に確認させるため。
「昔住んでいた店の押し入れの天井裏で盗まれてみつかった」
と、アリアケ記念の腕時計を戸神政行(柄本明)に見せた。
功一作戦で指紋をつけさせた品だった。
政行は、時計にも、喫茶店話にも、
「関係ない、知らない」
と否定した。
柏原は、ハヤシライスの匂いから、
「よばれちゃっていいですか。」
と、食べさせてくれるように催促。
そういう図々しいことがさりげなくできるのがスゴイ、と感じた。
出前をしていたことは確認できたが、喫茶店でのことは否定された。
そのやり取りに、行成の方が怒り、事件の内容を問いただしてきた。
「殺人事件ですよ、殺されたんですよアリアケさん、14年前に」
と、柏原は捜査事件の内容を明かした。
刑事達が帰った後で、行成から両親へ改まった話をしようとすると、
「れいの女子大生を連れてくるんでしょ?ダメ」
と、母の貴美子(森下愛子)から先に言われた。
女の勘はスルドイ。
カレー屋にて。
行成が「アリアケ事件」の切り抜き記事を持ち、功一に話を聞きに来た。
「高峰さんの話に出てくる友達とよく似ている」
とのことだった。
その上、功一との昔の会話『親父、殺されたんですよ』も思い出し、
「マスター(功一)の苗字は?」
と確かめてきた。
功一は、似ているが違う苗字を答え、冗談だったと、告げた。
それに、ホッとして、
「そうだったら、とても失礼なことをしていた」
今回の行成はかなり鋭く、相槌だけで聞いてない人でない、とわかった。
功一と行成(仇と思っている奴の息子)の静かなピリピリ雰囲気があった。
後ろで話を聞きながらドキドキしてた林ジョージ(尾美としのり)に和んだ。
行成は、
「彼女のことは親にも紹介するし、プロポーズもします」
と宣言していた。
作戦的には、そのおかげで家に上がれる。
だけど、恋心まで語られて複雑だっただろう。
カレー屋の2階にて。
アリアケ事件の容疑者がみつかった件で林ジョージが、
「よかったな、こんなことはあんまりないぞ、お前達以外にも親殺されての子が施設にはいた、だけど、直後に犯人が捕まるか?時効になるか?生き返るわけじゃないが成仏できるだろう、お前らも親離れできるな、捕まったらキャバクラ行こうぜ」
このセリフに林ジョージの存在の大きさを感じた。
いろんな事情のある子達を見てきて、優しくそして普通に接してきている。
功一も、
「犯人を捜すために生まれたわけじゃない、親離れだ」
と、事件解決を前向きに捕らえていた。
そして、功一と泰輔は、
「将来は洋食屋」
と夢を語り合った。
静奈は、戸神家に行く時の服装に悩んでいた。
それを見て、泰輔は複雑な表情だった。
妄想係長高山。
再登場のポストイット高山(桐谷健太)。
病院へ南田看護師(静奈の高山の時の詐欺名)の連絡先を聞きに行った。
そこで、偽名だったことに気づかされた。
それでは誰?静奈?と妄想中だった。
見ているだけならおもしろい男、付き合いたくはないけど(笑)
戸神家に行く準備中。
静奈が着替えをして出かける時に、功一は、
「娘を嫁に出す気分」
と言ってしまった。
それはヘン、と動揺していた。
「ノートを置いてくる、そして高峰はおしまい、の予定だから」
と、自分に言い聞かせるようにして静奈は出かけた。
戸神家にて。
静奈が行成と行くと、着物姿で決めて出迎えた母。
息子の女には負けないよー的な迫力がこわかった。
静奈は、買うのが大変な羊羹そして母の大好物を土産に渡し機嫌をとった。
応接間に通されて、和やかに会話を始めた行成、静奈、母の貴美子の三人。
家の外では、柏原が見張りをしていた。
自宅で待っていた泰輔の元に柏原から電話で、
「今から来れるか?」
それに焦りまくりの泰輔と功一。
これから戸神の家に乗り込むから泰輔に戸神の顔を見て確認してほしい、とのことだった。
静奈が証拠を仕込んでいる日にマズイ!
焦った末に、
「兄貴が珍しくキャバクラに、一緒に行きませんか?」
と、誘った。
戸神家では。
母の貴美子から、行成のいいところを質問された静奈は、
「誠実なところです、仕事熱心で、思いやりがあって」
と即答していた。
本当に思っていることなんだろう。
『嫁と姑で仲良く一緒に料理を作っている』
そんな想像までして、幸せそうに微笑んでいた。
そんな静奈(ここでは高峰)に母は高級香水をプレゼントして、気に入った様子だった。
そこに、父の政行も帰宅。
「行成が相談にのってもらっている」
との挨拶の後で、
「ハヤシライスを食べた店の名前は何?」
と直球で訊いてきた。
静奈は少し戸惑った後で、
「横文字の名前だった」
とごまかした。
行成に家の中を案内してもらう時がきた。
骨董品のツボを見せてもらうときに白手袋をはめた。
本当の目的は自分の指紋をつけないためだったが、自然な流れだった。
書庫も見せてもらい、その後に、
「お手洗いへ」
で、ノートを隠しに行った。
隠し終わって部屋から出た直後に政行と遭遇。
他人の家でうろうろ、あぶない、うたがわれてもおかしくない。
功一、泰輔、柏原の三人はキャバクラにいた。
柏原を連れ出す方法が、これしか浮かばなかったのだろう。
その時の功一の衣装が花柄で派手なシャツ。
テレビ誌によると、より似合わないものを、とスタイリストが選んできたらしい。
行成は静奈を送ってきて、
「カナダへ立つ前に、ゆっくり会う時間を作ってください」
と精一杯の告白をした。
一旦は帰ろうとした静奈だが、今回が行成との別れ、淋しくて涙目になった。
そして、行成に走って抱きついた。
しばらくして、一人で自宅に戻った。
戸神家にて。
「時計の指紋が一致した」
と刑事二人で政行を問いつめた。
だが、有明幸博(寺島進)の写真さえも否定した。
カレー屋にて。
柏原が訊ねてきて功一と事件の話をしていた。
『時効まで後2週間』
柏原は、
「時効寸前になって証拠が出てきた、なにか引っかかる、これは何者かに警察が誘導されているんじゃないか?」
戸神家でハヤシライスを食べた話までした。
そして、功一に、
「犯人がわかったら、どうする?」
と問いかけ、功一は、
「殺しますね」
と答えた。
どちらも静かにだったところが、逆にこわかった。
柏原には、裏メニューの功一手作りハヤシライスが出された。
親しくなるほどに、切なさを感じる。
静奈は、行成のことが忘れられず、泣いて酒ばかり飲んでいた。
行成からの電話に出られず、携帯の着信音に耳をふさぐ姿に複雑な想いを感じた。
とうとう静奈は一人で行成の店の近くまで行ってしまった。
心配して後をつけた功一と泰輔。
静奈は会いに行けないことはわかっていて、道で思い出に浸っていた。
高山登場。
道で静奈を見かけた高山は、
「しほ(高山の時の詐欺名)」
と声をかけてきて、
「君はいったい誰なんだ!?」
と問いつめてきた。
そこに行成登場。
「静奈(詐欺名の方)の借金2000万円を肩代わりしてくれるならありがたい」
と、見事なハッタリで高山を追いかえした。
静奈は、高山のことを、
「ストーカーです」
と説明。
「会えてよかったです」
との行成の言葉に、
「留学前でバタバタしてて」
と素直に謝っていた。
いい感じ、と思っていた。ところが行成が、
「あなたに見せたいものがあります」
と取り出したのは、『アリアケのレシピノート』だった。
見守っていた功一と泰輔もおどろき戸惑うしかなかった。
本編メインになってから、コメディシーンが少なくてちょっと淋しい。
詐欺シーンでも、演じているはずの静奈が動揺している。
今回は行成のスルドイところが目だっていたように思う。
林ジョージは居てくれると和む、懐も大きいキャラクターだとわかった。
静かな言い方のほうがこわい、ときもある、と感じた。