マチベン

  • 今回の「マチベン」は「安楽死を裁けますか?」で、とても重いテーマだった。

子供に『安楽死』について尋ねてみると
「おおじいちゃんのように、老衰ラクに死ぬこと?」
と答えた。私も言葉的な意味程度しかわからないし、難しすぎるテーマだと思った。
日本では、意識もなく医療器械だよりの命でも安楽死は認められない、と聞いている。
ドラマのように、まだ意識のはっきりした段階での安楽死は、認めてもらえないだろう。
後藤田弁護士(沢田研二)と因縁のある入院中の新田(岸部一徳)からの依頼だった。
二人は昔の詐欺事件の時にトラブルがあり、後藤田弁護士はひどい目にあわされた。
で、涼子弁護士(江角マキコ)と神原弁護士(山本耕史)が代わりに新田に会った。
依頼内容は
『自分は癌で余命半年、精神錯乱したりの正気でなくなる前に、安楽死させてほしい』
だった。これには、二人の弁護士も何も言えなくなっていた。
余命を知り、自分の意識が自分でなくなるのでは?の恐怖は想像もできないだろうし。
涼子弁護士は、『人格権』という言葉で、新田の希望どうり仮処分申請した。
裁判では、意識がなくなり自分じゃなくなるかも?の恐怖や苦しみについて語られた。
「自分の心にもない言葉で人を傷つけたり、など正気でなくなるのがこわいんです」
というようなセリフだったと思う。
ただ、これだけの理由だけで安楽死が認められたら、正気でいられないことのある人(病気での意識障害、精神神経科系の病気での症状)は困るだろう、と思った。
病院側からの回答で、そういう意識関係の症状が出たときの処置が
「薬を使って、眠っていてもらう」
にも、ちょっとショックだった。
実際、強めの睡眠薬でほぼ一日中を眠らされた状態で過ごす事例も知っていたから。
ドラマでは、担当看護師が実の娘で無意識での親子の名乗りが死よりもこわかった。
だから、意識のはっきりしているうちに死を迎えたかった、が真の理由だった。
娘は名乗らなくても新田が父だと知っていて、裁判は敗訴した。
新田は、意識のはっきりある内に、病気で亡くなった。
今回は、安楽死というより、意識が自分でなくなることの怖さがテーマだったのかな?
私には、身にしみてわかるところもあり、見ていて少しツライところもあった。