天国で君に逢えたら

本来、私はヒューマンドラマが苦手。
だから、二宮和也くんが病人役のSPドラマは見てなかった。
でも、今回は二宮くんが精神科医役とのことだったのでドラマを見た。
大学病院で診察中の野々上医師(二宮和也)を見て、あんなに若くてかっこいい精神科医に熱心に話を聞いてもらえるなら診察も楽しいだろうな、と思った。
時間制限ありの診察で、患者の話を止められず焦る野々上医師がおもしろかった。
ただただ話を聞いてくれる野々上医師は、ガン治療センターのカウンセリングに転職。
序盤を見て、予想していたよりも明るくユーモアのあるドラマだと感じた。
脚本家の名前を見ると、岡田惠和さん。
好きな脚本家だったので、その後は安心して見続けることができた。
入院しているガン患者で料理人の清水(ゴリ)がカウンセリングルームにやってきた。
料理人への道についてや、妻子を持ったこと、病気のツラサなどを話した。
「見舞い客が、ガンバレ、って言う、心が狭いのか、腹が立ってくる」
十分に頑張っていて、それでも負け(死)が決まっている人には、酷な言葉だろう。
清水は語り続けて、
「やっとだよ、やっと、そんなときにガン、もう治らないって、わかるか先生」
と訴えた。それに対して、野々上は、
「僕も頭でしかわかりません」
と素直な言葉。
「わかるって言われたら、殴ってやるところだった」
と清水。
実際はわかるはずがないことなのに『わかります、私は理解しています』との偽善的な言葉は大キライ。
カウンセリングルームでコーヒーを出している少女から、
「お手紙書いたら」
と提案されていた。
清水は、妻の仁美や子への想いを切々と語って、病室に戻っていった。
この清水と野々上との会話は、とても共感できるところがあってよかった。
ガン治療センターには、四宮医師(ユースケ・サンタマリア)もいた。
この時期だと救命病棟24時の澤井医局長と少しダブってしまった。
四宮医師は患者の夫である小林英樹(津田寛治)に殴られていた。
理由は、妻の小林恭子富田靖子)のガンを治せないから。
医師は神様じゃない、でも殴りたくなる気持ちもわかる気がした。
夫の小林英樹は超仕事人間だったから、妻の恭子の病気に気づかなかった。
そのことを、とても後悔していた。
いつも海の方を見ていた飯塚シュージ(緒方直人)もカウンセリングルームへ。
飯塚の無精ヒゲがむさくるしい印象だったが、患者の役だったからかな。
最後の方、サイパンでのシーンではカッコよく見えた。
清水が妻の仁美への想いを録音し、それを野々上が手紙にして仁美に渡した。
読んで泣いた仁美はキレイに化粧して夫の病室に行った。
いつものように「ブス」と言われながらも清水の頬にキスそして抱擁、いい夫婦だな。
飯塚は、ガンの進行が早い、と告げられて精神的に不安定になった。
患者の小林恭子は、職場を退職した夫と車で旅することになった。
「薬は一か月分しか渡していない、それ以上、使うことはないからな」
のセリフで、余命がわかった。
このドラマでは、死をムリヤリに引き伸ばさず、本人が望む過ごし方をさせていた。
よくある医療ドラマとは、決定的に違うところだと思う。
私も、延命治療はせず、イタミや苦しみだけは緩和してもらって最後を迎えたい。
飯塚のカウンセリングで落ち込んだ野々上は、事務長(平泉成)と飲み屋にいた。
ビールを飲んでいる姿が幼く見えて『アルコール飲んでいいの?』と思ってしまった。
二宮くんはもう26才なのに、とても童顔で永遠の17才(笑)
野々上と妻の夏子(井上真央)と双子の子たちのシーンは、かわいいパパぶりだった。
なぜカウンセリングルームにいるのか?不思議だった少女も、実はガン患者だった。
「働かせてください、大人になるとみんな働くけど、それまで生きていられないから」
とコーヒーを出す仕事を見つけたらしい。
飯塚は、いままでの浮気での女性遍歴を妻(木村多恵)への手紙にした。
そんな内容の手紙を見せていいのか?と迷ったが、飯塚の意志を尊重。
亡くなる前にサイパンに戻った飯塚。
死を知らせる電話を受け、飯塚の妻に手紙を渡すためにサイパンまで出向いた。
妻は、亡くなる前の飯塚が、ウィンドサーフィンをする父の姿を子に見せていたこと、とても楽しそうにしていたことを語った。
野々上が手紙を渡すと、
「そんなの知ってた、バカな男、でも大好き」
と泣きながら手紙を読んだ。
楽しそうな飯塚家族の姿で、ドラマは終わった。